情熱のオーディオ
第二章 45-45方式ステレオの開発
昭和25年頃すでにテープによるステレオが輸入され評判になっていたが再生装置も非常に高価であり
「レコードでステレオができないか」が各メーカーのターゲットになっていた、当時は海外の情報もほとんど入らず
独自の開発を進めたのである。焦点はレコード盤の溝の切り方とピックアップの開発にあった。
「ちょうどその約一か月後の十月に、米国で同一方式のステレオ・レコードの
発表会とデモンストレーションが行われた。私はそのとき、彼我の研究の差がわずか半年であったことを知り非常に
残念には思ったが、到着すべき研究の結論が一致したという点について強い自信を得たのである。
幸い、
私たちとしてはすでにこの方式について十分な検討がしてあったため、会社あげての協力体制の結果、このステレオレコードと
ステレオ電蓄の発表は日本における第一陣であったと同時に、米国における発表ともほとんど同時に行うことが出来たのである」
(井上敏也音響研究所長「新製品開発夜話」による)
そして昭和33年日本最初の発売に成功することが出来たのであった。
以下平成26年テレビ学会に投稿した文書で解りやすく紹介する。
文中にもあるが開発途上 高柳先生のカートリッジ開発に対する特許取得のご指導、レコードプレス工場の微細な
浮遊物処理を陣頭指揮されるなど忘れ得ぬ姿であった。
「45-45方式 ステレオシステムの開発」*(全5ページ)