情熱のオーディオ

第四章 業界最先端のステレオセンター大和工場設立

昭和38年10月 大和工場ステレオセンターの竣工式が挙行された。 当時のカタログによると「神奈川県大和市に世界的規模を持つステレオ専門工場を建設しました、 この工場では最新の設備のもと超近代的な方法でステレオ装置の総てを一貫生産しています。 更に、生産された各種ステレオ部品、およびステレオ装置はあらゆる方法で精密なテストを繰り返し、 厳格な品質管理を経てのち始めて皆様のもとに送られるわけです」とあった。

工場内にはビクターステレオの理念である「原音探求」の石碑も建てられ、夢の試聴室と称する 音場再現の実験もできる豪華な試聴室も設けられた。
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振り返れば横浜工場でラジオ技術課電蓄係りから始まり昭和36年電蓄製造部として独立し昭和37年生産部制がしかれ、 それと同時にステレオ生産部はスピーカー、プレヤーなどの部品製造部を切り離して、アセンブリーを主体とする 独立採算単位となり、昭和38年には営業部がこれに組み込まれた。事業部制への移行準備がステレオ生産部を中心に進められたのである。 このステレオセンターは事業部制移行の試金石でもあったが、移転後わずか1年で早くも投資額全額を回収する 輝かしい実績をあげ、経営陣の期待に応えたのであった。