第7回社会見学会レポート
みなとみらい21エリアで社会見学〜横浜港の歴史・文化と重要文化財にふれて学ぶ〜
◇  開催日時:  2017年6月27日(火)                   
◇  参加者 (11名): 
   河合昭平 大井征治 太田一穂 中村寿男 成田義則 橋本勝 眞武順造 明星好光 吉本稔 我妻幾久寿 平野靖和
◇  コース: 横浜みなと博物館〜帆船日本丸〜JICA横浜〜海上保安資料館   

  日頃の行いの良さからか、梅雨時の不安をよそに薄日の差す散策日和になりました。皆さん笑顔いっぱいJR桜木町駅 9時50分に定刻通り集合です。
今回は整備された近代的な建物が立ち並ぶ街とは対照的に、横浜港の歴史や礎をつくってきた造船所跡、重要文化財、鉄道用地跡、資料館や海外移住の歴史館などにスポットを当てて見学してきました。桜木町界隈には何度も足を運んでいる人でも、立ち寄ることの少ない貴重なゾーンかもしれません。

■ 〜 見学先について 〜
@ 「横浜みなと博物館」 http://www.nippon-maru.or.jp/
 2009年(平成21年)に横浜開港150年目を迎えましたが、当館では、この間に積み上げてきた横浜港の歴史や、技術・研究・情報などをパネルや映像で紹介しています。「歴史と暮らしのなかの横浜港」をテーマにした常設の展示館ですが、「横浜港の歴史」ゾーンと、横浜港の役割をテーマ別に学べる「横浜港の再発見」ゾーンで構成されています。往時の横浜村の埋め立てと開発の歴史やペリー来航時の世相・文化をまとめた資料、開港当時の大さん橋建設に使われたスクリューパイルの現物などは、“百聞は一見に如かず”を実感する貴重なものでした。本格的な“操船シュミレータ体験”は、他では味わえないものですが、残念ながら時間の関係でスルーすることに・・・。(立花/岩崎さんの説明で 約1時間の見学)

A 「帆船 日本丸(国指定重要文化財)」 http://www.nippon-maru.or.jp/ (@と共通)
 日本丸は54年間の任務を終え、みなと博物館の向かい(石造りドック)に現役時代に近い状態で、係留されています。ガイド役をお願いした角田さんは、ご自身も50年前に日本丸で航海したというキャリアがあり、細部にわたる説明を聞くことが出来ました。日本丸は昭和5年に建造、かっては「太平洋の白鳥」と呼ばれ、船員を養成する練習帆船として活躍、54年間で約11,500名もの実習生を育てました。戦後の一時期は、復員船、石炭の運搬船、遺骨収集船として、日本国の復興に向けて動員されたそうです。現在は、“新日本丸”にバトンタッチされ、姉妹船の「海洋丸(実習船)」と合わせて船員を養成するために活動しています。マストやたくさんのロープ類がある甲板のほか、船内が見学できます。大海原を航海していた頃の乗組員のインタビュー映像や写真などで、日本丸の歩みや練習船での訓練と生活などを紹介しています。余談ですが、DVDの視聴に「DV5 JVC」、洗濯場の拡声に「Victorスピーカー」が使われていたのには感激しました。(1時間超の見学)     
◆ 耳より情報
・ 展帆ボランティア登録された人たちにより、4〜11月の間に約12回程度の総帆展帆(すべての帆を広げる)が実施されます。
 興味のある方は船内と合わせて見学してみてはいかがでしょうか。

・ 見学に行かれる方はボランティアガイドを見つけて説明をお願いするとQ&Aが弾み、お得感満載です。



B 「JICA横浜 海外移住資料館」http://www.jica.go.jp/yokohama/
  日本丸から10分ほどのところに「JICA横浜」のビルがあります。予定の時間より少し遅れての昼食になりましたが、3階のポートテラスカフェに決めていました。
 日替わりランチや定番アラカルト、イスラム教徒の戒律に従って処理したHALAL MEATを使用したものやベジタリアン向けのものなど、和食からエスニック料理まで、国際色豊かなメニューがあります。価格もリーズナブル(ランチセットで680円〜)で、一般の人でも利用できます。
 食事を済ませ、2階の海外移住資料館に移動。企画展示・写真展示「ハワイ日系人の歩み」を見学しました。日本に於ける海外移住の歴史を5期に分け、年表、文献、写真、映像によって各時代の出来事を紹介しています。世界移住マップ、都道府県別の移住者数を表した立体地図、ハワイの官約移民や書生、ブラジルのアリアンサ移住地、最後の移住船にっぽん丸などを取り上げたコーナーもあります。 (自由行動 1時間)

◆ ちょこっと薀蓄
  ハワイで有名なアロハシャツは、当時、ハワイに渡った日本人移住者が、ハワイで流行していた開襟シャツをモチーフに、和服で仕立てたことが起源といわれています。

◆ 明星好光さんの後日談
「自分の伯母が、今から100年ほど前にハワイ(ヒロ)とアメリカ(カリフォルニア州フレズノ)へ移民として渡米し、それぞれこの地で一生を送りました。」とのことでした。とても意義のある見学会だったそうです。


C 「海上保安資料横浜館 北朝鮮工作船」 http://www.kaiho.mlit.go.jp/03kanku/
 赤レンガ倉庫の裏手にかまぼこ屋根の建物(資料館)があります。巷では忘れられた海の事件ですが、九州南西海域工作船事件(平成13年12月)に関わる北朝鮮工作船や回収物などを展示してあります。激しい銃撃戦の末に自爆した時の状況や緊迫したなかでの海上保安庁の対応などを紹介した映像が流れています。回収されたゴムボート、武器類、衣類、無線機、PHS、金日成バッジなどの漂流物は、よく見るとハングル文字に交じって、“MADE IN JAPAN”と書かれたものもありました。この資料館は、島国特有の事情と、海上保安の必要性を体感することができる貴重な場所といえるかもしれません。赤レンガ倉庫に出かけることがあったら、ぜひ立ち寄っていただきたいものです。
(説明員付き 約45分の見学)




■ 〜 見学を終えて 〜
  それぞれ趣の違った施設巡りをしたこともあって、充実感と疲労感につつまれた一日でした。 
見学を終えて  「みなとみらい線 馬車道駅」で解散となりましたが、希望者で横浜駅西口近くの某店に立ち寄って恒例の「ご 苦労さん会」です。お酒も進み疲れは何処へやら・・・、皆さん元気に帰宅の途に着きました。                                       
以上  
平野 記  

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