第3回社会見学会レポート
 
南極・北極科学館、東京消防庁ハイパーレスキュー隊と立川防災館
 
 平成26年5月13日(火)、 前日までの天気予報に反して晴れ間がのぞくさわやかな朝を迎え、「JR立川駅10時」に総勢9名の見学参加者が集合。 全員が定刻前に集まるところはさすがビクターマンです。
“健康のため”ということで、立川駅北口から徒歩で目的地をめざします(約25分)。  道中、「昭和記念公園 あけぼの口」前の管理事務所に立ち寄り、 “今日のスケジュール” 案内 とトイレタイム。 道路は立川基地のおひざ元だけあって区画整理され、レンガ調の歩道は広くて路面も歩きやすく散策気分を満喫できました。

 最初の見学施設は南極・北極科学館です。限られた職員数のためガイドの事前予約はできませんでしたがそれでも時折、 手空きのベテラン職員が説明役を引き受けてくれて、自ら越冬体験した昭和基地での詳細な話を聞かせてもらうことができました。
◆ ちょこっと薀蓄
 正式な施設名は「大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 南極・北極科学館」という。
 南極・北極の未知なる世界には、さまざまな神秘や不思議が隠されている。幻想的で雄大なオーロラ、陸地は氷に覆われ、愛らしいペンギンやアザラシなどの姿。 そんな南極・北極のさまざまなシーンを学べる施設として一見の価値はある。シアターの全天ドームに映し出される北極圏で観測したオーロラの光は 実に神秘的で、臨場感溢れる12分間のドラマが鑑賞できる。昭和基地からのリアルタイムの映像、南極探検の歴史資料や、隕石・岩石や氷(どちらも直接触れられる)、生きもの(剥製)などの展示も貴重なもの。 また、「体験コーナー」で南極観測隊が実際に着る上着や靴を試着したり、第1次観測隊が使った雪上車に乗って越冬隊気分を味わうこともできる。
注:「昭和基地」とは ・・・ 1957年1月29日 第1次観測隊がオングル島に上陸し、付近一帯を「昭和基地」と命名、4棟の山小屋同然の建物と11名の隊員が越冬して始まった南極観測から半世紀を経た今では、60棟を越す建物が建ち並び世界有数の科学基地になっているとか・・・
URLアドレス: http://www.nipr.ac.jp/science-museum/

成田  平野(靖)   眞武   澤田   平野(猛)   太田   幸野   橋本  河合  

およそ1時間で館内の見学を終えて裏口を出てみると、かって昭和基地で越冬隊のために活躍した愛犬たちの石造が置かれていました。
 この後は隣接する複数の国立研究機関が同居する大きなビルのロビーに移り、その一角で昼食タイムです。あらかじめ電話注文しておいた“仕出し弁当(インスタント味噌汁付きでC/P抜群!)”をそそくさと食べ、 同ビルに併設されている国文学研究資料館を見学することにしました。ここは、さまざまの和書 ( 奈良絵本・古今和歌集・源氏物語・・・の古文書)など奈良時代〜江戸時代のとても貴重な写本・版本の数々を見て 和書の基本知識に触れることができる、大変貴重な常設の展示資料館です。
◆ ちょこっと薀蓄
 正式な施設名はこちらも「大学共同利用機関法人」傘下にある 人間文化研究機構 国文学研究資料館。 国内外に所蔵されている日本文学及び関連資料の専門的な調査研究と、撮影・原本による収集、得られた所在・書誌を整理・保存し、日本文学及び関連分野の研究基盤を整備し、展示・講演会等を通じて社会への還元を行っている。
URLアドレス: http://www.nijl.ac.jp/

 午後は立川防災基地に移動して、今回のメインプログラムである東京消防庁ハイパーレスキュー隊見学です。 見学の予約は午後1時から約50分間、“統括係の小薬(こぐすり)さん”に案内をしていただくことになりました。 最初に“第八機動隊の伊藤隊長”から、ご挨拶をいただいた後、「機動部隊の活動について」の映像」を視聴。この後、小薬さんの案内で訓練現場や施設(潜水訓練用のプール:口径7メートル、深さ22メートル)、 車庫内に置かれた消防・救護の特殊車両などの説明を受けました。 残念なことに大掛かりなレスキュー訓練や施設・装備品などは見られませんでしたが、中心的な訓練基地ということで域内の支部から車両・機材を持ち込んで行う 日常訓練や作業の風景を見ることはできました。
 ハイパーレスキュー隊は消防隊と違い、「部隊のなかで任務を完遂できる自己完結型である」という使命を背負って活動しているそうで、 常に幅広い知識と能力を高める努力をしている姿に頭が下がります。東日本大震災・福島第一原発の被災現場での作業は命がけで対応した由だが、 使命感・責任感がすべてに優先しているのだと思います。 余談ですが、探究心旺盛なNさんから、「孫をレスキュー隊に 入隊させたいけど、待遇など は…?」と投げかけがあり、一生懸命に応じる小薬さんに一同が大笑いの一幕もありました。

◆ ちょこっと薀蓄
 「東京消防庁 ハイパーレスキュー隊」、正確な組織名『消防救助機動部隊(Fire Rescue Task Forces)』は、阪神・淡路大震災を教訓に大規模災害等に対応するため、特別な技術・能力を有する隊員や装備で編成される東京消防庁の特別高度救助隊のこと。品川区・大田区を管轄する第二方面本部と多摩地区(17市)15消防署を統括している第八方面本部 の傘下に夫々おかれている。立川広域防災基地には、大規模災害などの特殊状況下に備え、総勢63名(日勤 3名、交代勤務 20名×3班)が、特殊消防車や医療設備車・トラクターショベル・大型クレーン等、20台を超える特殊車両のほかダイヤモンドカッター、電磁波人名探査装置など高度な救助資機材の操作技能に習熟して有事に備え、隣接地に配備されている、「航空隊」のヘリコプターと連携して救急・救助活動も行う。平時はひたすら訓練の毎日だという。また当基地には毎日、多摩地区内何れかの支部消防署が来て各種訓練をしている。
URLアドレス: http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-dai8honbu/kidoubutaitop.html


 見学会の最後は「立川防災館」です。 事前予約は「2時間の体験コース」、最初にロビーフロアのスクリーンで「防災知識について」のビデオを視聴、シアターに移って「3.11 私たちは 東日本大震災で何を経験したのか」の映像を視聴したあと、いよいよ体験学習。3班に別れて、「地震体験」と「煙体験」を受講しました。
地震体験は、震度3、5、7の地震を起震装置でシュミレーションし、退避の基本・心がまえを実体験。また 煙体験室では煙を吸わずに避難・脱出をする方法や煙の恐ろしさ・火災時の煙特性について教えてもらいました。
震度7の疑似体験では体が飛び跳ねる感じで無抵抗状態でした。震度7は2004年の新潟県中越地震と同程度ですが、いざ実際に発生したら果たしてどうなるのか…
説明員の、丁寧で真剣な話しぶりが印象的でした。

・ここで学んだ日々の備えとは
@.震度5以上が想定される「緊急地震速報のチャイム」を聞いたら、直ちに家具や家電など倒れやすい物から 離れて、避難口(窓や扉)を確保して様子をみることが大切。
A.災害に備える食料・飲料水などは、10日分の備蓄が必要。
B.火災報知機の設置は、台所:熱感知式、階段・居室:煙感知式が基本、電池&本体の寿命:10年で交換が望ましい。


◆ ちょこっと薀蓄
 立川防災館は災害時に役立つ行動力を身につける体験学習施設で、地震体験室、煙体験室のほか、消火訓練室、応急救護(AED操作)訓練室などで体験学習できる。
URLアドレス:http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-ttbskan/
 
成田   眞武   澤田   河合   平野(靖)  太田   平野(猛)   幸野   橋本    

午後4時予定通り、無事に見学会は終了となりました。 長時間になったものの、どれも“百聞は一見に如かず”との思いを強くした見学会になりました。帰路は防災館前から路線バスでJR立川駅へ、 全員揃ったところで現地解散となりました。参加された皆さんお疲れ様でした。

( 平野 ) 

《参加者9名 敬称略》
太田一穂・河合 昭平・成田 義則・平野猛・幸野 英一・橋本勝・澤田龍男・眞武順造・平野靖和。


相模原支部TOPへ戻る