社会見学会:生麦事件史跡探訪とキリンビール横浜工場見学 (2013.7.30)

 今年度第2回目の社会見学会は、暑気払いを兼ねた“歴史探訪の集い”として企画されました。朝から真夏の陽射がまぶしい9時50分、「京急 生麦」駅に、集合したのは総勢8名。
 主目的地である「生麦事件参考館」は駅から至近距離にありますが、少し足を延ばし10分程歩いて、旧東海道にある「生麦事件発生現場」へ向かいました。 今を遡る150年余前、薩摩藩・島津久光の大名行列に遭遇したイギリス人・四人が藩士たちに斬りつけられた現場です 。閑静な住宅街の一角、民家の塀に説明パネルが掲示されています。(右写真にマウスポインタを当てると表示)
 参考館へ向かう道すがら、横浜市指定無形民俗文化財である『蛇も蚊も(じゃもかも)』発祥記念碑に立ち寄ってみました。超近代都市“横浜”にも、こんな民俗文化が伝承されているのです。

  「生麦事件参考館」は、後述のように私設館なので浅海館長へ訪いの挨拶を済ませた後、先着の別グループと一緒に、浅海館長の講演DVDを鑑賞しましました。
 約1時間映像を見た後の、Q&Aや講話は興味の湧く実に有意義な内容でした。 ユーモアがあふれる饒舌な語りは聴く人を飽きさせません。 お蔭で、酒の記念館と合わせて、3時間超も居座ることになりました。
 「生麦事件参考館」は、繁盛していた酒屋(地元で)の社長、浅海武夫さんがリタイア後、私財を投じ資料館として建てられたものです。 遡ること34年前に鹿児島県のある人から「生麦事件は近代国家の礎の出来事なのに、なぜ、記念館がないのでしょうか」と尋ねられたことが頭から離れず、そ の結果18年前に早稲田大学のオープンカレッジへ10年通いながら、生麦村で“何が起こったのか”本当のことを知るために奔走し、国内外から集めた史料や 写真、書籍は1,000点に及ぶそうです。
 10 畳ほどの広さの資料室には貴重な写真や書類が140点ほど展示されています。 なかには、殺傷されたリチャードソンがベッドに横たわっている写真、事件を一部始終見ていた証人の記述録、当時の生麦村の暮らしぶりを書き綴ったものな ど、他では見られない貴重なものが数多くありました。 近年、生麦事件の意義が再評価され、中学生の歴史教科書ではフル1ページを割いているそうです。 残念ながら講話の内容は省略いたします。
 参考館と同じ建物に併設されている「酒の記念館」のテーブルをお借りして、コンビニで調達した“助六弁当”を食べながらの昼食タイム。 浅海館長には申し訳ないことでしたが、昼食抜きで記念館の展示物を案内してもらうことに。 ここには、酒に関わる江戸時代の珍しい職人の技工品などが展示されています。江戸時代の庶民たちの粋な生活ぶりについて、説明を聞いた一同は感激しきりでした。 浅海館長との楽しい時間も記念写真を撮り終えて終了。
浅海館長と一緒に・・・参考館前で

 昼食後、 歩いて10分程のキリンビール横浜工場へ移動。
ここから、駒村さんも合流し9名での工場見学です。
若くて綺麗なガイド、金島さんに導引されて見学しました。大きなガラス張りの廊下から工場の様子が見られます。
製麦>仕込>発酵>貯蔵>濾過>瓶詰・缶詰>箱詰め・ケース詰>出荷という工程を約50分かけて巡回します。
見学の最後に試飲コーナーで、3種類のビールを味わうことができました。試飲時間は20分ですがビール党にとっては最高のプレゼントでした。
 15時20分 いよいよ本日のメインイベント、敷地内にある「ビアビレッジ」に会場を移して、納涼の懇親会の開催です。ソーセージやチーズ、ピザ、サラダなどを肴に新鮮ビールを楽しむことができました。

 17時を過ぎてお開きに・・・、駅への道中「生麦事件記念の碑」(横浜市登録文化財) に立ち寄り合掌、生麦駅前で解散となりました。

  参加された皆さん、一日お疲れ様でした。

<参加者>
  橋本勝 吉本稔 大井征治 眞武順造 成田義則 河合昭平 幸野英一 駒村敏男 平野靖和

工場見学エントランスにて“グッさん”と・・・


<参考サイトのご案内> (…それぞれのタイトルクリックで別ウィンドウが開きます) 
◆ 生麦事件-Wikipedia
◆ 生麦事件参考館…… (公式サイトではありません)
◆ キリンビール横浜工場
     

( レポ:平野 ) 






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